玄真堂のご紹介

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ご挨拶

社会医療法人玄真堂 川嶌整形外科病院 理事長 川嶌 眞人昭和56年(1981)3月5日、くしくも1771年、中津藩藩医前野良沢が江戸築地の中津藩中屋敷で「ターヘル・アナトミア」の翻訳を開始した日に、わずか15名のスタッフとともに川嶌丸は船出いたしました。まさに杉田玄白が「蘭学事始」の中で述べたように「艪舵無き船が大海に出でし」状態でありました。まず目標は「世界水準の医療を地域医療へ」と定めたものの、今まで経験したことのない、病院経営という壁にぶつかってしまいました。

迷いの中で私を支えて下さったのは、9年間勤務していた九州労災病院院長天児民和先生(国際整形災害医学会会長、九州大学名誉教授)でありました。「君を大学に推薦しようと思っていたが開業するならば今まで研究していたことが活かされるようにやってみたらどうか」とたびたびお手紙を下さったり、当院が行事をやるたびに訪問して下さいました。天児先生は兼好法師の「徒然草」の中から「無常迅速」という言葉をとりあげ、「幸福も不幸も長続きはしない。人生は有意変転なのだ。幸福だからと甘えてはいけない。不幸だからと嘆き悲しんでもいけない。不幸は去り、きっと幸福が訪れる。」と自らの人生を顧みていつも思うと述べられました。更に先生は「勉強することは苦しくてつらいこともあるが続けていれば必ず楽しくなる。」という「自強不息」の精神を大事にしなさいと指導して下さいました。

この精神は、102歳で死去したわが母ミツヱが学んだ日本で最初の官許を得た女性歯科医のための東洋女子歯科医学専門学校の創立者、宇田川尚が学校創立の時に掲げた精神でもあり、ミツヱも80歳まで開業し、勉強会に出席していたことに通じるものでありました。

開院以来、当院の運営理念は次のようなものであります。

  • 安心・安全・やすらぎ・心のこもったサービスを提供します
  • 地域・住民・患者から評価・信頼される医療を提供します
  • 絶えざる改善と生涯教育を継続し、職員個々の能力を向上します

以上の理念をモットーに職員一同、心をひとつにして頑張ってきました。
幸い志を同じくする田村裕昭院長をはじめ、優秀な医師たち、職員が集まり、「水滴は岩をも穿つ」努力を継続し、日々の診療のみならず、活力ある人材育成、研修活動、学会活動、執筆活動に取り組んでいただき、多くの論文や著作となって結晶化しております。日本骨・関節感染症学会、日本高気圧環境・潜水医学会、日本医史学会、日米宇宙・潜水・高気圧環境医学合同学会の主催をはじめ、数々の国際セミナーや地方会も毎年のように主催してきました。技術的にも学術的にも世界水準の医療を維持するために、私を含めて多くの職員が内外の学会で発表し、研修を行ってきた成果は徐々に地域においても、国内においても評価されてきたものと確信しています。

また病院の安心、安全機能を水準以上に維持するために大分県で一般病院として最初に日本医療機能評価機構の認定を受け、2010年には3度目の更新認定を受けました。その後大分県においても認定にチャレンジする病院が続いており、多忙の中でも職員が切磋琢磨して、良質な医療を実践するために努力を怠らないシステムができあがりつつあります。
またロータリークラブの「職業を通じて社会に奉仕する」精神を実行すべく、大分県中津圏域地域リハビリテーション広域支援センターとして公民館や中津市の行事、転倒予防教室などに年数十回も派遣していることは地域社会に少しでもお役に立ちたいという理念からであります。

また九州地域におけるダイバーの研修や、毎月行われている院内健康教室は、私たちの専門技術や知識が地域社会の人々の健康維持に少しでもお役に立てればという思いで継続しております。
地域の文化や歴史を研究し、町の活性化に貢献するために大江医家史料館の薬草栽培を行ったり、中津医学史、蘭学史を勉強する「マンダラゲの会」を継続して主催してきました。寺町とうろう祭りや中津城灯篭祭りへの参加は職員たちのボランティア精神を高揚させ、いたるところの地域の活性化運動に参加する職員もでてきました。
地域連携を推進するために行ってきた医師会活動や大分県病院協会の活動は「大腿骨頚部骨折連携パス」や毎年2,000人を超える参加者が見られる病院学会にも成果が見られるようになってきました。

地域における医療水準の向上のために行われている「二豊整形外科フォーラム」「二豊リウマチフォーラム」「中津整形外科フォーラム」は2ヶ月に1回、日本のトップレベルの教授や医師を招いての勉強会であり、当院のみならず、他の医療機関の医師や職員の研修に役立っているものと考えています。
院内においても、感染症、リスクマネジメント、TQM、BSCなど様々な研修や活動が継続的に行われており、院内の活性化、接遇の向上、技術の向上に役立っているものと考えております。

3年間に及んだ新クリニック、新病院の建設、玄真堂介護ケアセンターの増改築もようやく2014年3月31日で終了します。最新式の完全無菌手術室、マルチCTスキャン等、ハイテク技術の採用のみならず、太陽光、太陽熱、地下熱、天然ガスと、エコロジーも徹底採用して省エネルギーに努めています。外傷外科、骨関節感染症のみならず、手の外科、肩の外科、関節リウマチ、脊椎外科、人工関節、膝関節外科、スポーツ医学、リハビリテーションと専門医も揃ってきました。また、高気圧酸素治療を併用した整形外科疾患の治療も行っており、大型の高圧タンクを2基備えております。2014年4月12日に竣工式を迎えられるのも、玄真堂に集まって来られた多くの患者さんや利用者の皆様のおかげであり、連携する医療機関や多くの有益なるアドバイスや人材を送って下さった方々、地域の皆様方、全国の友人達のおかげであり、改めて心より感謝を申し上げます。玄真堂を地域の社会資本として、無くてはならない地域の財産として残すために、活力ある後継者の育成、社会医療法人として法人組織の発展的改組を行い、次の40周年に向けて大きく前進いたしたいと思います。

皆の力を合わせて絶えざる改善を

  • その立場でなくてはならぬ人
  • 後から来る人を育てる
  • 前向きに考える
  • 感謝の心を忘れない
  • 心耳を澄ます時間を持つ
  • 志、夢を持つ
  • 与えられた場で全力を尽くす
  • 優れた古今の人物に学ぶ
  • 一念を持ち、持続させる
  • 自主性、主体性
  • 辛苦に耐える、霜に打たれた柿の味
  • 一隅を照らす、一隅に輝く
  • 心身を鍛錬する
  • 苦楽吉祥

以上の心得を職員一同肝に銘じて、職業を通じて社会に奉仕する玄真堂は40周年に向けて羽ばたいてゆきたいと思います。皆様の今後とも変わらぬご教導とご支援をお願い申し上げます。


水滴は岩をも穿つ(高野長英)

【水滴は岩をも穿つ】モニュメント

理念・運営方針

【理念】

  • 安心・安全・やすらぎ・心のこもったサービスを提供します。
  • 地域・住民・患者から評価・信頼される医療を提供します。
  • 絶えざる改善と生涯教育を継続し、職員個々の能力を向上します。

【運営方針】

  • 整形外科の専門病院として、良質の医療を提供できるように最善の努力をします。
  • 患者、利用者の権利を尊重し、インフォームド・コンセント(説明・同意・納得)を含む安全管理を徹底します。
  • 「医は仁ならざるの術、務めて仁をなさんと欲す」の精神を尊重します。
  • 社会の変化にしなやかに対応しながら心技態を切磋琢磨し、全人間的な成長を目指します。
  • 地域の皆様の健康と生命を守るために最善を尽くします。
  • 職業を通じて地域社会に奉仕し、地域の社会的共通資本として認められるように努力をします。
  • 高齢化社会を迎え、安心・安全と心のこもった医療・介護を提供します。

7つのちかい

  • 生命を尊重し、医療の公共性に基づき社会に奉仕することを第一前提とする。
  • 病に対する同情といたわりの心を持って診療を行い患者さんに優しく親切に接すること。
  • 人間形成と医療技術の研鑽をたえずおこたらないこと。
  • 自らの仕事に対する責任を自覚し、より質の高い任務遂行のための努力、および創意工夫をおこたらないこと。
  • 院内ではお互いの任務を尊重し、互いに譲りあって、誠実、協調、和の精神を尊ぶこと。
  • 公私の区別を明確にし、清潔で規律ある院内にすること。
  • 省資源、省エネルギー時代の中で光熱費の節約に努力し、物品を大切にする気持ちを養うこと。

(1981年3月5日 川嶌 眞人)

倫理綱領

人は誰もが健康な生活を享受したいという共通の念願を持っています。
医療・福祉サービスに携わる者の責任は、人々の権利を認識し尊重しながら地域の人々の健康と生活を守る為に、其々の専門性を発揮し、限りない愛情と責任をもって最善の努力を尽くさなければなりません。
この使命を達成する為に、玄真堂理念に則り次の行動規範を定めます。

  • 医療・福祉の公共性に基いた、公平・公正なサービスを提供します。
    • 差別なく平等に、必要性に応じた適切な医療及び福祉サービスを提供します。
    • 科学的根拠に基づいたサービスを提供します。
    • 法律に基づいたサービスを提供します。
  • サービスの質向上に努めます。
    • 人格・教養を高め、全人的医療及び福祉サービスを目指します。
    • 其々の専門性を高め、より質の高い任務遂行のための継続的な研修・研鑽に努めます。
  • 患者様・利用者やご家族との信頼関係に基づいたサービスを提供します。
    • 納得できる、わかりやすい説明をします。
    • 患者様やご利用者の意思を尊重し、知る権利・自己決定の権利を守ります。
    • 個人情報を保護し、守秘義務を守ります。
  • 安心してサービスを受けることができ、安心してサービスが提供できる体制を創ります。
    • 患者様やご利用者と共に、医療従事者も満足できる環境を創ります。
    • 安全への対応と事故防止に努めます。
  • 人材の育成に務めます。
    • 職員の自己啓発を啓蒙します。
    • 職員の自己実現を支援します。
  • 社会の一員としての責任を果たします。
    • 医療・施設経営(運営)の成果を患者様やご利用者、他の医療機関・施設及び地域社会に還元します。
    • 職業を通じて社会に奉仕します。
    • 環境保全・保護に努めます。
    • 安全管理・確保に努めます。
    • 省資源・省エネルギーに努めます。
    • 廃棄物処理・リサイクルに努めます。

患者様の権利と責務

【患者様の権利と患者様の責務】

患者様は、個人としての尊厳が守られ、平等で最善の医療を受ける権利があります。安全で質の高い医療を効果的に受けるために守って頂きたい事項があります。

【患者様の権利】

  • 病気の種類や個人的背景に関係なく、平等に医療を受ける権利があります。
  • 人格は尊重され、医療提供者との相互協力関係のもとで最善で安全な医療を受ける権利があります。
  • 医療に関して十分な説明、情報を求める権利があります。
  • 医療内容について、医学的に必要な情報提供を受けたうえで、自分で選択し決定する権利があります。
  • 医師・病院を自由に選択し、他の医師の意見を求める権利があります。
  • 自己の意思に反する医療を拒否する権利があります。
  • 意識が無いか判断能力を欠く場合や未成年者の場合、代行者に決定を委ねる権利があります。
  • 自己の診療記録の開示を求める権利があります。
  • プライバシーや個人情報を保護される権利があります。
  • 健康維持のため教育やサービスを受ける権利があります。
  • 安全を確保される権利があります。

【患者様の責務】

  • 医療提供者に対し、患者様ご自身の健康に関する正確な情報の提供をお願いします。
  • 他の患者さんの療養生活に支障を与えないよう配慮をお願いします。
  • 早期回復の為、医療提供者が定めた規則の遵守をお願いします。
  • 円滑な医療行為のための、医療提供者との協力関係の構築をお願いします。
  • 早期回復の為の、患者さん・ご家族の積極的な医療への参加をお願いします。
  • 医療の安全性を高めるために最大限の努力を行っていますが、あらゆる医療行為は本質的には不確実です。意図せざる結果や予期しえぬ病気が発生する場合があることをご理解ください。
  • 診療費の遅滞ない支払いをお願いします。