当院の治療特色【4】人工関節置換術(下肢)

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永芳 郁文
【執 筆】永芳 郁文
川嶌整形外科病院 副院長
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はじめに

膝や股関節の変形をきたし、痛みのため不自由な生活を余儀なくされる場合、リハビリや薬などで治療が行われますが、あらゆることを行ってみてそれでも症状がとれない場合、最後に残された手段が人工関節という手術的治療になります。
術後は痛みがとれ、数日で歩行訓練が可能となり、3週間くらいで退院できます。もちろん若返りというわけではないので、正座ができないなど和式生活には不便な点もいなめませんが、もともとこの手術を受けられる方は歩行や立つことすら困難な場合が多いため、西洋式スタイルであれば、痛みのない快適な生活も可能です。ご家族の理解も含めた充分な術前の話し合いや、リハビリがかかせませんので詳しくは外来でご相談頂ければ幸いです。

人工関節分野における様々な新しい技術の進歩

1.手術手技の進歩

術中ナビゲーションシステムの導入によって、人工膝関節の設置のための正確な骨切りを行うことが可能となりました。技術の進歩により、コンピュータ支援に基づく手術の実施が、高価で大型の機械類を使用しなくても行える時代になっています。保険の範囲内で施行可能ですので、ご希望の方はご相談ください。

【術中ナビゲーションシステム】
術中ナビイメージ画像1術中ナビイメージ画像2術中ナビイメージ画像3

2.材質の改良と進歩

新世代人工関節写真人工関節の耐久性向上の為、抗酸化剤である天然のビタミンEを浸漬させた新世代のポリエチレンが開発、導入されています。
生体内で長期の抗酸化作用を有することで摩耗や劣化が減り、長期耐久性の向上が期待されています。


3.術前計画の進歩

患者さんのCT画像データから個々の関節の骨の形状に合ったカスタムガイドを作成し、より正確で安全な人工関節の設置を可能にするシステムの導入が可能となっています。

術中ナビイメージ画像1

3-Dプリンタでつくられる個人個人の骨造形モデルと専用手術機器について

骨の形は一人ひとり違うため、従来の人工膝関節手術では何種類もの手術器械が必要となりますが、CTやMRIを撮影後、患者さんの骨の形に合った専用の器械を作ることで、より身体への負担が少ない手術が可能です。ご希望によって選択できますのでご相談ください。

[ここがポイント!]最小侵襲・手術時間短縮・正確な手術
[大腿骨モデルと専用器具]
[大腿骨モデルと専用器具画像]
[脛骨モデルと専用器具]
[脛骨モデルと専用器具画像]
[コンピュータによる術前シミュレーション]
[コンピュータによる術前シミュレーション画像]
[実際の様子]
[コンピュータによる術前シミュレーション画像]
[人工関節置換術の種類と術後の曲がり具合について]

変形性股関節症に対する人工股関節置換術

変形性股関節症は時期によってそれぞれ異なります。初期や進行期でまだ残せる関節軟骨がある場合は、自分の骨を減らすことなく行える骨切り術が適応されます。関節の変形がすすみ、軟骨がなくなり、もう関節として機能しなくなってきた場合には、人工股関節手術が選択されます。

[前関節症]
[前関節症画像]
[初期関節症]
[初期関節症画像]
[進行期関節症]
[進行期関節症画像]
[末期関節症]
[末期関節症画像]

充分なリハビリや運動訓練なしに、よくならないと思っていませんか?今までのこと、これからのことを含め、充分にご相談ください。手術には骨切り術と人工股関節置換術があります。

骨温存手術、外反骨切り術の1例

初期や進行期でまだ残せる関節軟骨がある場合は、自分の骨を減らすことなく行える骨切り術が適応されます。関節の変形がすすみ、軟骨がなくなり、もう関節として機能しなくなってきた場合には、人工股関節手術が選択されます。

[外反骨切り術画像]

人工股関節置換術の1例
[人工股関節の一例画像]

73歳 女性。末期関節症に対し、関節置換術を行いました。人工股関節置換術は骨切り術と異なり、術後1~2日で起立、歩行などのリハビリが可能で、1か月で退院され、現在は畑仕事などもしておられます。

[人工股関節の図]

骨の中に固定し、関節として使用できるようになっています。

[人工股関節画像]
[人工関節器具画像]

おわりに

当院でも毎年多くの手術を行っていますが、同じ悩みをもつ患者さんどうしがリハビリ室などでお知り合いになり、お友達になり、互いに励ましあい、あるいは手術前の患者さんに体験談を語って頂く姿も良く見受けられます。これから手術を予定している患者さん、術後のリハビリを行う患者さん同士など、多くの人とのコミュニケ-ションの場を取っていただけることもまたこの治療法にはかかせない一面となっているようです。